1991年3月から始まったSD戦国伝シリーズ3作目。いわゆるSD戦国伝三部作の最終作にあたり、その集大成である。前作・風林火山編の勢いをそのままにスタートした今作は、これまでの謎を消化し、物語にきっちりと決着をつけた。次作からは「新SD戦国伝」となり、新しい世界観で再出発している。
舞台は一転してこれまででもっとも過去の世界。ドラゴンクエスト3と同じである。武者七人衆編の父親たちが活躍した時代、そこへ本来は存在しないはずの荒烈駆主が飛ばされたことにより物語は動き出す。安易に使うと危険な「タイムスリップ」ネタを使いながらも、未来に戻った荒烈駆主を待っていたのは暗黒の世界だったなどの一捻りした流れは秀逸。
メイン商品であるBB戦士では試験的な試みが随所になされている。四獣王の各特殊素材や足のボールジョイント、そして悪名高いランナーロックもこのシリーズから始まった。ただ同シリーズで同じ金型を2度使いまわしたのはいただけない。当時、お小遣いをやりくりして「鳳凰頑駄無」を購入した少年がいたが、彼は「初代大将軍（鳳凰頑駄無とコンパチ）」を購入後、「鳳凰頑駄無買わなきゃよかった・・・・」と呪いの言葉を吐きながら枕をぬらしたという。
彼は今もなおそのときの恨みを忘れずにこの文章を書いている。
── 天下統一編のキモ
舞台はそれまで断片的な情報だけで語られていた初代大将軍、そして将頑駄無や殺駆頭の活躍していた過去の世界。本来はそこに存在しないはずの荒烈駆主の出現によって歴史が徐々に変化していき…。そしてあり得なかった頑駄無大将軍の競演と大団円。初期三部作を締めるにふさわしい作品でした。
── 大将軍に新たな流れを
ラストに登場する4代目大将軍はこれまでの大将軍カラーである紅白+金に加え、青が取り入れられている。だからなんだといわれても困るが、これが当時、ものすごく斬新に映ったのでした。
── タイムパラドックス
気にしてはいけません。
── 個人的な不満点
4代目が戦闘で活躍しないにつきる。
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